第48回「こすぎの大学~武蔵小杉で心のバリアフリー~」(2017年2月10日)

田中真宏さん
田中真宏さん

第48回「こすぎの大学」は「武蔵小杉で心のバリアフリー」と題して、先生役としてピープルデザイン研究所 田中真宏さんをお迎えしました。

 

2014年に川崎市と包括協定を締結したピープルデザイン研究所。心のバリアフリーを掲げて、多様な人々が混ざり合い、賑わいのあるダイバーシティ(多様性)のまちづくりを目指して活動しています。当日は、田中さんにピープルデザインの活動や思いを紹介していただき、その後、参加者のみなさんと共に心のバリアフリーを探究したいと考えました。

 

【日時 】2017年2月10日(金) 19:28~21:15 ※受付開始は19:00~ 

【場所 】中原区役所 5階 会議室 

【先生役】ピープルデザイン研究所 田中真宏さん

【参加者】36名

 

<プロフィール>

 

1978年生まれ、東京都出身。文化服装学院卒業後、スノーボードインストラクター、アパレルの販売・企画・デザインを経て、2009年にネクスタイド・エヴォリューション社に入社。2012年、NPO法人ピープルデザイン研究所設立と共に運営メンバー加わる。現在は両社のディレクターとして、様々な企画・プロジェクトや、イベントの運営を担っている。

 


授業風景


先生“役”からのお話し

●ネクスタイド・エヴォリューション社での取り組み

福祉を、カッコイイ・カワイイ、ワクワク・ドキドキに基づく形容詞で表現し、ファッションやデザイン、アートのチカラを使って若者に受容してもらう。福祉を一般化するためのアプローチ。

 

●心のバリアフリー

障がいの有無で分離されるケースが多い。例えば、特別支援学校。車イスの方が通行しやすいように段差がない道路をつくる解決策もあるが、ヨーロッパでは人がサポートして段差のバリアを解決する。ハードに依存せず、人の「意識のバリア」を取り除くことで解決できることも多々ある。

 

●ピープルデザイン川崎プロジェクト

ヒトづくり・コトづくり・モノづくり・シゴトづくりを目指し、川崎フロンターレ公式試合での入場や清掃など、川崎市の各種イベントを通じて就労体験を提供中。

 

●相手の立場になって考える

ピープルデザインの活動を通じて、常に相手の立場になって考えるようになった。 


当日のプログラム

授業のゴール「武蔵小杉を心のバリアフリーな街にする」 

 

1時限目(個人ワーク)

田中真宏さんの話を聞いて、気になったキーワードをポストイットに書いてください。

 

2時限目(グループワーク)

田中真宏さんの話を聞いて、気になったキーワードと理由をグループの方々とシェアしてください。

 

席替え

 

3時限目(グループワーク)

そもそも、「心のバリアフリー」って何ですか?

そして、心のバリアフリーがない街は、どのような姿なのでしょうか?

 

4時限目(グループワーク+発表)

「心のバリアフリー」がある武蔵小杉は、現在と比較して、どのような姿ですか?

そして、心のバリアフリーを広めるために自分たちでできるアイデア・アクションを発表してください。


当日のアウトプット

グループ発表「心のバリアフリーがある武蔵小杉

 

  • 笑顔があふれる武蔵小杉
    人が一気に増えた武蔵小杉。例えば、駐輪場付近では自転車と歩行者がバトル中。お互いを知ることでバトルはなくなり、笑顔になるはず。お互いを知る第一歩はあいさつ。武蔵小杉駅前にあいさつオジサン・あいさつオバサンがいるといいかも。
  • 6%の廣川さん!
    おせっかいな人が増えると、人と人との接点ができてコミュニケーションが増える。ただし、100%なおせっかいは面倒くさい。6%くらいがちょうどいいかも
  • 好奇心ある街
    ハードとソフトの両面でバリアフリーを考える。全員に便利なことはない。知らないことが多い。好奇心を持つことで知らないことを知り、そして、解決策を考えていく。人の思いやりなどのソフト側のアプローチで個別の問題を解決していく。
  • COSUGI
    通勤時間帯の殺伐とした武蔵小杉駅。下を向いてスマホを操作する人々ばかり。例えば、赤いグッズの日を決める。赤いモノを身に着けている人がいたら話しかけて挨拶をする。武蔵小杉版のコミュニケーションチャームのようなコミュニケーションスタイルを考える。
  • 同じフロア・マンションで助けある雰囲気にする
    現在のタワーマンションも30年後には高齢化が進む。今からお互いに助けある関係性を構築する。例えば、「こすぎの大学」で知り合いをつくる。挨拶をする。ショートタイムで働ける機会をつくる。
  • ゆるいつながり「自分探しと相手の尊重」
    多様性のある社会。個性と個性が交じり合う。個性がぶつかり合うこともある。ぶつかるのは悪いことではなく、正常な状態。ぶつかることで居心地が悪くなったら相手を排除するのではなく、自分が離れていけばいい。そして、価値観が合う方々と繋がり続ければいい。自分探しと相手の尊重。
  • 雑多な個性を宝石のように光らせる「マルチカラーな街」
    ロミオとジュリエットの話。お互いの家系には大きなバリアがある。二人は続柄でなく、心で恋をした。表層的な部分でなく、細胞レベルでお互いを受け止め合う。
  • ココロのバリアフリー
    武蔵小杉は、タワーマンション街や新丸子・元住吉など多様な街。コスギフェスタで多くの方々が集まるが、ミニ・コスギフェスタなどを開催して、普段から多様な方々がいることを実感して混じり会える機会をつくる。
  • ぬりかべ新聞 2017年2月号
    「かべ」はなくしても、「ぬりかべ」はなくさないでね!

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